11/3 クレインズ戦
西武4−2クレインズ

(入場者数:1300人+@)

1P2P3PTOTAL
西武0(7)2(14)2(8) 4(29)
クレインズ0(18)1(9)1(9) 2(36)

【セット】
<GK>菊地
<FW>
1:小林友・ブライト・上野
2:小野・藤田・高橋
3:今・樺山・石岡(小川)
4:土田・薮野・豊田
<DF>
1:大久保・小堀
2:山崎・大川
3:伏見・小堀or大川

【得点】
<2P>
04:11 【クレ】ミタニ
17:32 【西武】石岡(A:)
18:10 【西武】樺山(A:小堀)

<3P>
17:19 【西武】ブライト(A:小林友・大川)PPG
17:47 【クレ】佐藤匡(A:佐藤正)
19:01 【西武】藤田(A:小野)PP/ENG


【得点シーンレビュー】

1点目:縦パスをセンターライン付近で受けた石岡が中央突破。 相手DFと2:1の体勢になるがパスと見せかけさらにゴール前まで持ち込み自分でシュート。タイミング外され寝てしまったドプソンの右上に放り込みゴール。

2点目:小堀が自陣から相手のチェックを巧みに交わしながら持ち込みブルーライン超えたところでドロップパス。後ろから飛び込んだマッツがシュート、リバウンドが出たところに西武選手が殺到して混戦、最後はマッツが体全体を使ってパックを押し込んだ形になりゴール。

3点目:自陣右サイドのダンから斜め前方へオープンパス。ブルーライン上で友人がフリーで受け左サイドを駆け上がりセンタリング、中央走りこんだクリスがダイレクトで叩きゴールネット右上に決まる。

4点目:キルプレーのクレインズ5人攻撃を小野が中盤でインターセプト、横パス受けたライアンがエンプティネットゴール。


昨季屈辱の5位に終わった西武だが監督交代、大量リストラ、強力新人たちの加入など激変のオフを過ごし、「少数精鋭」でプレマッチを上々の出来で終えて開幕を迎えることができた。
しかしダスティ・松浦と守りの要を欠いたままの布陣で初戦を迎え(2人は年内は復帰難しいとのこと)一抹の不安も隠しきれなかったのも事実。

いきなり集結戦シリーズとなった今季開幕戦。日光vs札幌戦のあとの第2試合に組まれた。
前の試合がバックス戦だったこともあってスタンドはお客の入りもよく熱気が溢れていたが、指定席に座っていた人はほとんどバックスファンだったらしく、この試合の前にはほとんどいなくなってしまっていた。
トホホと思っていたら今度はさきほどまで立ち見していたお客さんたちが空いた席に座りだして、結局はほぼスタンドが埋まった状態で試合開始を迎えることができた。(ホントは入れ替え制ではないから座れないハズなのだが ^^;)

今季からベンチ入り人数は20人に減少。故障のダスティと松浦以外でベンチから外れたのはルーキー山下のみ。
本来は3つ回しまでしかできない人数のはずだがDFの1人少ない西武はFW4セット、DF2.5セットの変則セットを組む。4つ目は昨年までの西武ならサブとなるところ、今日はフルに4つ回しで戦っていた。
バックアップの了以外、全員が氷に乗った。

まず1ピリで主導権を握ったのはクレインズ。西武はペナを連発してずっと「守備練習」を強いられる展開。攻撃を仕掛ける時間がほとんど貰えなかった。

2ピリに入りやや持ち直してきたと思った矢先、それまで安定した守りを見せてきた尚哉が一瞬集中を欠いたところを突かれた。
自陣ゴール前で競り合ったパックが頭上高く上がり、パンチングにいった尚哉だったが相手FWにグローブを叩かれパックを下にこぼしてしまい、それにいちはやく反応したミタニに押し込まれ先制を許した。
遠くから見ていたその光景は、サッカーでいうならまさにキャッチングした曽ヶ端にぶちかますゴン中山そのものに映ったが、よく考えれば尚哉が何もそんなに無理してクリーズから大きくでて取りに行く必要もないプレーであった。

しかし先制を許してからようやく西武の攻撃にもエンジンがかかり始め、相手ゴール前まで攻め込むシーンも増えてきた。だが今度は昨シーズンさんざん苦しめられたドプソンが壁となって立ちはだかった。
なかなかゴールを奪えぬまま2ピリも残り少なくなり、パスも繋がらなくなってイヤな雰囲気になりかけたところ、この流れを変えたのは以前クレインズに在籍していた石岡であった。
その時間帯まで沈黙していた彼だが、まさにこのワンプレーに懸けていたかのように素晴らしい個人技を駆使してゴール前まで入り込み、最後はそれまで苦しめられたドプソンをあざ笑うかのように綺麗にゴールへ叩き込んだ。ゴールした瞬間のガッツポーズも絵になっていた。価値ある同点弾。
そしてこの押せ押せの流れを見逃さず、直後に逆転弾が生まれる。浮き足だつクレインズの守備隊形を突いてシュート&ラッシュを展開した末のゴールであった。ドプソン、さきほどの尚哉同様、この一瞬だけ集中を欠いていた。そこを見逃さなかった。
まもなく2ピリ終了。最高の流れで3ピリを迎えることに。

「1点勝負」の様相を呈してきた3ピリは両チーム互いに譲らず終盤へ。
西武は疲れからかフォアチェックがゆるくなり自陣に押し込まれる展開が増えるが、こちらも疲れが出てきたクレインズの攻撃陣の決定力不足にも救われ、また2ピリのミスのあとは完璧な守りを見せる尚哉の奮闘で同点を許さなかった。

そして残り2分を迎えたところで友人→クリスの連携でビューティフルゴールが生まれ待望の追加点を挙げこれで勝負ありと安心したものの、その直後にクレインズ佐藤ブラザーズにこれも綺麗なゴールを決められまた1点差。
最後の瞬間まで決着はもつれるかと思わせたが、その直後にクレインズは今度はペナを取られてここでようやく勝利が見えてきた。
あとがないクレインズはキルプレーにも関わらずGKをあげて「5人攻撃」でなんとか同点の機会をうかがおうと執念を見せる。
しかし残り1分でライアンがエンプティーネットを決めて今度こそ勝負あり。

試合終了のブザーが鳴った時、喜びよりも安堵の気持ちの方が大きかった。
昨シーズンから通して6試合ぶりの勝利。そして東伏見での対クレインズ2点差以上の勝利も2シーズンぶり。
氷上では初先発マスクを見事初勝利で飾った尚哉を祝福する選手の姿があった。

苦しみながらも守るべきところをしっかり守りきり、そして流れがこちらに来たと見るやその機会を見逃さず着実に加点。「力でねじふせた」というよりも「勝負強さ」を見せた快勝であったと思う。


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