冬季アジア大会決勝を観戦のため、有休を取って金曜に「はやて」利用で八戸入りしました。 途中の仙台以北から岩手にかけての車窓はかなり積雪があったので現地での天候が心配されましたが、八戸駅に着く頃はすっかり雪も消え、天気もよく暖かい気候でした。
八戸駅自体は街のはずれにあるので、ここから八戸線に乗換え2つ先の本八戸を目指す。 この路線は1時間に1本あるかないかのローカル線(ただしはやてとの連絡は完璧)で、未だ冷房化率0%のボロディーゼル車(キハ40)が幅を効かせて走行してました。 本八戸に着いても駅前がすぐに中心街という訳ではなく、さらに駅前どおりを南へ歩くこと約10分、ようやく賑やかな街並に出会えます。 中心街はさすがに人通りも多く、活気にあふれてました。 しかし街並に計画性というものがあまり感じられず、繁華街を貫く幹線道路はすべて狭い一方通行、バスターミナルも存在しないので試合会場行きのバスがどのバス停から出ているのかかなり分かりづらかったです。 (そもそも大会期間中なのに八戸駅から直通のシャトルバスがないこと自体が問題でしたが)
埒が明かなくなったので、一度ホテルへチェックインし、フロントの人にこの辺りから直通のシャトルバスがないか確認。発着所を教えてもらいそこへ向かいました。 また道に迷いながらもなんとか着いたその場所は、目印もなく本当に注意してなければ気がつかないような所。しかも発車時刻を確認すると次の便はなんと2時間も先! そこまで待っていては決勝の開場にも間に合わないので、再度一般乗り合いのバス停を探すことにしました。(まったく、誰のための「シャトルバス」なんだ・・・)
ようやく一般のバスに乗ったものの、これがまたはっきり分かるほどの遠回り。そして会場最寄のバス停からもさらに15分ほど歩き、やっと新井田のリンクに到着しました。 せっかく3位決定戦のチケットも持っていたのに、着いた時にはもう3ピリも終盤でした(涙) その3位決定戦が終わったところで一旦退場。(完全入れ替え制なので「居座って日本戦の席取りを・・・」ということはできません) 外に出てみると既に決勝待ちの行列が100人以上はできていました。 そうしている内に行列はどんどん膨れ上がり、結局予定より30分も早く開場となりました。 入場の際には空港並みのセキリュティチェックがあり、自分も含めピーピー鳴らす人が続出・・・の割には肝心のバック中身チェックの方はかなりテキトーにやってたなという印象でした。
開場が早くなったおかげで断幕貼りも余裕を持って行えました。 「6チームで!」と浩市の断幕掲載の時には、周りのお客さんや係員の方から「手伝いましょうか?」と声をかけられたりして感謝することしきりでした。
試合前にはリンクアナ先導による応援練習なるものが行われましたが、これは長野の影響でしょうか。 また、おなじみの日本代表のサポーターグループがスタンドを回って応援を呼びかけてました。 フェイスオフの頃には立見スペースもまったく余裕ないほどスタンドは超満員となってました。
試合内容は別掲ということでここでは割愛させていただきますが、スタンドの雰囲気は終始良かったです。表彰式にもほとんどのお客さんが残ってました。 私自身が始めて体感する日本代表の優勝、金メダル、そして君が代に乗っての国旗掲揚・・・この業界は暗い出来事最近が多かっただけに感慨もひとしおでした。
霧降や真駒内とは違い、帰りの最終シャトルバスは余裕を持った時間に発車してくれました。 不便だった往路とは違い、復路は繁華街のど真ん中まで行ってくれたので便利でした。 (しかも、宿泊地の目と鼻の先でした)
ホントならこれから祝杯!といきたかったところでしたが、試合前くらいから体調が悪くなっていたので八戸ラーメン(しょうゆと煮干ベースの超サッパリ系)だけ食べて一旦宿に戻りました。 でもやはりこのまま「八戸の夜」を終えてしまうのはやはり寂しい気がしたので、「一杯だけ」を求めて宿のすぐ隣にある「八戸屋台村」の暖簾をくぐりました。そして結局、そこに3時間以上も居座ってしまった・・・(^^;) 本場のイカ刺しやいちご煮、そして地酒も十分堪能しましたが、何より楽しかったのは店員さんや居合わせた他のお客さんとの会話。私がホッケー見るために東京から来たことを告げると、思いのほか会話が盛り上がりました。
そんなことで、かなり二日酔いと体調悪化確実の状況でしたが、翌朝の目覚めは意外と良かったです。 「旨い酒は百薬の長」だったのか?(爆)
土曜はホテルで朝食を取ってからチェックアウト。この日は陸奥湊、蕪島を回る予定でしたが次の列車までかなり時間があったので、長根のアウトドアリンクを見物してから駅に向かうことにしました。 その途中で偶然見かけた「みちの駅八戸」という観光案内所兼休憩施設に寄り道。係員のおばさんがとても親切で、奥にある座敷でコーヒーとイカ墨饅頭貰ってかなりの間くつろいでしましました。
その後八戸の名所と味覚を十分堪能して、夕方に八戸を後にして再び「はやて」で帰路につきました。 が、この帰りの車中で、荒熊山始まって以来最悪のアクシデント発生! 岩手県内を走行中、突如大きな横揺れが発生し(原因は不明)その衝撃で網棚に載せてあった「6チームで」断幕が落下、それが私の隣に座っていた外国人女性(夫と子供2人が通路の向かいに座っていた)の飲んでいたペットボトルを直撃!、中のコーラが女性の体や辺り一面に飛び散ったのです。 私も彼女も一瞬パニックに陥ってしまいましたが、隣に座っていた家族全員はなぜか大爆笑。我に返った女性本人もびしょ濡れのまま笑い出し、私1人が「Sorry,Sorry」を繰り返しながらハンカチやティシュで女性の衣服や座席に付いたコーラをひたすら拭いているという有様でした。 なんだかバツが悪いので女性の娘さん(2〜3歳くらい)に自分用のお土産に買ってあったアジア大会グッズをあげることにしましたが、喜んでくれたみたいで笑いながら「バイバイ」と帰り際に手を振ってくれてました。
今回、最高の成績を残した日本代表とは別に、八戸という街にも想像していた以上のパワーも感じました。 新幹線開業を機に、八戸を観光名所として売り込もうという意気込みが至る所に見受けられました。 他の「名所」と言われた観光地が軒並み斜陽化が伝えられる中、ここだけは右肩上がりの元気溢れる街のように映って、なんだかこちらも元気が沸いてきます。 ただアイスホッケーだけはこの街でも「右肩上がり」とはいかないようで、本州の「氷都」と地元では紹介しているものの、少子化と環境の変化(ここ数年の温暖化で天然リンクが作れなくなった)などの影響で、ホッケー人口は減少はここでも深刻なようです。 そういえば、八戸出身の日本リーガーも最近はめっきり少なくなり、西武も一馬1人ですね。
「氷都復興」のためには日本リーガーを再び多数輩出できるような状況を生み出すこと、もっと言ってしまえば日本リーグのチームそのものをこの街に作ることが最良の手段だと思います。 そしてこれは決して夢物語でなく、今の八戸の街にみなぎるパワー、そしてこの度新井田リンクで日本のホッケーの面白さを再認識した地元ファンの後押しがあれば、意外と簡単に実現できるような気がします。
日本リーグの行く末のヒントを何か得たような、今回の八戸遠征でした。
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